ミシュラク?アク?タールの夏枯れた、起伏のゆるやかな平原を北のタール?ゼリクにむかって旅するセ?ネドラ一行につきそうグロリムたちはよそよそしく丁重だった。はたしてそれがマロリー皇帝の警告によるものか、それともポルガラへの畏敬
楊婉儀幼稚園 拖數によるものかセ?ネドラにはわからなかった。息づまるような炎暑は過ぎさり、空気にはかすかに夏の終わりの気配が感じられた。タールの平野に点在する集落には、いずれも不ぞろいなわらぶきの家々とほこりまみれの通りがあるだけだった。これらの小さな集落を、高慢なよそよそしい表情を浮かべたトラクの僧たちの一行が通過するたびに、住人はいちようにむっつりと恐怖のこもっのだった。
タール?ゼリク西部の平野は、一面の赤い天幕で覆われた、マロリー軍のために設営された広大な集結地になっていた。だがごくわずかの見張り隊を残して、野営地はほとんどもぬけの空だった。すでにミシュラク?アク?タールに来ている軍団はタール?マードゥ近くのザカーズのもとにとどまっており、その後に到着するはずの後続部隊が突然打ち切られたためであった。
タール?ゼリクは、塩水と魚とタールと腐りかけた海藻の香りに満ちた、どこにでも見られるような港町だった。住人たちと同じように背の低いずんぐりした灰色い石の家々が並び、小石を敷きつめた通りが港にむかって四方八方から下りていた。港は広い入り江の湾曲部に位置しており、海をはさんだ向かい側にも同じような港が見えている。
「あそこはいったい何という町なの?」セ?ネドラは汚い水辺からはるかな沖の方を眺めながらそばにいたグロリムにたずねた
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「ヤー?マラクです」黒衣の僧侶がそっけなく答えた。
「ああ、そう」彼女は答えながら、退屈な地理の授業を思い出していた。一方はタール、もう一方はナドラクに属するふたつの町は、コルドゥー川の入り江をはさんで向かいあい、両国の国境線は川のまん中にあるのだ。
「皇帝がタール?マードゥより戻られたあかつきには、あの町を根絶やしにされると聞いています」別のグロリムが答えた。「皇帝は戦場におけるドロスタ王の振る舞いに気に入らないところがあったのでしかるべき懲罰を与えられるとのことでした」
一行はただちに小石の通りを下って港へ向かったが、そこには数隻の船しか係留されていなかった。
「水夫たちが船出を拒否しておるのです」一行が乗りこむ予定の船の前で、マロリー人の船長が言った。「なにしろチェレク人どもが船と見れば、狼の群れのように襲いかかり、燃やして沈めてしまうというのでな」
「チェレク艦隊がいるのはもっと南のはずだ」護送役のグロリムが言った
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