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物の姿が浮き出

が、もっぱら有機化学の一部門にあるのを知った。しかし、これだけの品では、その研究の対象を具体的に確かめるまでにはいたらなかった。それにまた、底気味わるい解剖台が備えつけてあるので、医師の判断はますます混乱した。要するに、科学上の装置と備品からでは、実際的な捜査目的は達成されなかったといえるのである。
 散在した書物のあいだから、ぼろぼろになった古い紙片を発見した。これがボレルス文書の写しで、興味あることに、百五十年以前、善良なるメリット氏がカーウィン農場を訪問したさい、ひどく動揺させられたのとまったく同じ個所に、下線が引いてあるのだった。そのときメリット氏が見たカーウィンの自筆になる写しは、歴史に残る襲撃の夜に、カーウィンの秘密書斎内で、焼失したにちがいないのだ泰國旅行團が。
 この実験室には、入口の扉のほか、扉が三つあって、それぞれ奥に通路がひらけているのが、ちらっと見ただけでも明らかだった。医師はそれを順次に踏査した。そのうちの二つは小さな貯蔵室に通じていて、ここでまず目をひいたのは、おびただしく収容してある柩だった。医師が注意ぶかくあらためると、破損の程度からして、各時代を網羅しているものであるのがわかった。蓋の上に死者の氏名をしるした金属板を打ちつけてあるが、読みとれる文字もあるし、解読不可能のものもある。読みとれるものの二、三を、医師ははげしく揺すってみた。そしてまた、この部屋にも、服装品が多数貯えてあった。それに、厳重な釘づけにした真新しい箱がいくつか。しかし、医師はいまのところ、そこに足をとめて、内容をあらためるまでの気持にはなれなかった。それ以上に注意をひく器具が数多くあって、それを彼は、ジョゼフ・カーウィンの実験装置の一部と推定した。おそらくは襲撃隊によるものであろうが、破壊の程度がいちじるしかった。しかし、それでもなお、その残存部分を見Neo skin lab 美容ただけで、ジョージ王朝時代の化学実験に使用された品であるのが見てとれた。
 第三の拱路の行きつくさきは、想像以上に広大な部屋で、壁全体に何段かの棚が設けてあった。中央においたテーブルに、ランプが二個載せてあるので、ウィレット医師はこれに火をともして、その光のうちに、部屋をとり巻く棚に目をやった。上の段の一部だけがなにもおかないであるが、そのほかの場所には、異様な形をした小さな鉛の壺がずらり並んでいた。これにも二種類あって、ひとつの種類は長円筒形で、把手をそなえず、古代ギリシャ人がレキトスと呼んで埋葬儀式に用いた香膏壺、いまひとつは把手つきの葡萄酒入れ、やはりギリシャでファレロンと呼ばれていた壺である。どれもみな、金属製の栓をして、表面に薄く、奇怪なている。医師も即座に見てとったことだが、二種類の壺は非常に厳密に区別してあった。一方の壁の棚には、レキトス壺ばかりを並べ、〈クストデス〉とラテン語をしるした大きな板がかけてある。向かいあった壁の棚がファレロン酒壺の列で、その上の板には、〈マテリア〉とおなじくラテン語が読みとれる。最上段の空《から》と思われるものを除けば、どの壺にもボール紙の番号札がつけてあって、これはおそらく、目録の記載に対応するのであろう。その目録もいずれは探し出してみせると、ウィレット老医師は心に誓った。最初は、みごとに並んだ壺の列の全体に気をとられ、医師は見わたして盛観だと考えたが、任意に一個ずつ、双方の棚からぬきとって、内容を調べてみると、どちらの壺にも、同種の物質のいたって少量がはいっていた。それは埃のように微細な粉
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