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声でちがう魔女だと

森の中はうす暗く、ミルドレッドはちょっぴり不安でした。木ぎがびっしり生いしげり、ほとんど日の光もとどかないのです。あとすこしで、山のふもとに着くという所で、ミルドレッドは、木にもたれて休むことにしました。子ネコもカバンからはい出して、草の上でのびをしています。
 森はとても静かで、鳥の声がちらほらと、あとは、なにかふしぎな音のほかには、なにも聞こえません。低くブンブンいうその音は、たくさんの人の話し声のようにも聞こえます。耳をすますと、もっと人の声らしく聞こえました。音の聞こえてくる方を、て見ると、なにか動いているのが見えました。
「ちょっと見に行きましょう、トラチャン」
 カバンとほうきを木にたてかけたまま、からみあったやぶを通りぬけ、そっと近づいていきました。音は、だんだん大きくなります。
「なんで、こんな所で話をしているのかしら」と、ミルドレッド。「見てごらん、トラチャン。あの木のむこうよ」
 二十人ほどの魔女が、うす暗いあき地にすわって、低い声でなにか話しあっています。ミルドレッドはそっと近づき、聞き耳をたてました。集まっている人たちは、初めて見る顔ばかりでした。その時、せの高いはい色のかみの魔女が、立ちあがりました。
「みんな、聞いておくれ。ちょっとの間、静かにできないのかい?」
 それぞれ、かってに話しこんでいた魔女たちは、話をやめると、いっせいに、せの高い魔女のほうをむきました。
「そう、それでいいんだよ。さて、まだわかってないことがある。あの連中がみんなねむってしまったのか、そうでなくってもさ、せめて自分のへやで、おとなしくしていてくれるのかってことだよ」
 せの高い魔女がすわると、かわりにほかの魔女が立ちあがりました。せの低い、ふとった魔女で、みどり色のふちのめがねをかけています。ミルドレッドはいっしゅん、カックル先生ではないかと思い、ドキッとしました。でも、口を開くと、、わかりました。
「その点の心配はいらないね」この魔女がこたえました。「ハロウィーンの祝賀会に続く朝は、正午まで、学校中がねむるんだよ。それがきまりで、あの学校は、きまりにすごくやかましいのさ。どんなに早くたって、十二時五分前までは、だれもおきてきやしないよ。校庭のかげにしのびこめば、音も聞こえないしさ。それに、すがたを消してしまおうよ、そうすりゃ、ぜったい安全さ。あとは、手わけをしてそれぞれのへやにしのびこみ、みんなをカエルにしちゃうまで、消えたままでいりゃいいよ。だれか目をさましたって、見えやしないんだから。箱を持っていくのを忘れちゃいけないよ、カエルを入れるんだよ」ふとった魔女は、小さな紙箱の山をさしました。
「ひとりもにがすんじゃないよ。ことがすんだら、あの学校は、われわれが支配するんだよ」
「すがたを消す薬のじゅんびは?」ふとった魔女は、火の上で大がまをかきまぜている、わかい魔女の方をむいて聞きました。わらい薬のテストの時、おなじみのふたりがつくった薬と同じものです。
「もうすぐです」わかい魔女は、そうこたえて、コウモリの羽毛をひとつかみ大なべの中に投げ入れました。「あとすこし、グツグツにたらできあがります」
 ミルドレッドは本当にこわくなりました。カバンをおいた所に、はらばいでもどって、見つからないように木の下かげにかくれました。
「どうしたらいいかしら、トラチャン?」ミルドレッドは、モードがカエルになって、とびはねているところを思いうかべながら、子ネコにささやきかけました。「あの人たちを学校に行かしちゃいけないわ」
 ミルドレッドはカバンをひっかきまわして、本を二冊取り出しました。一冊は、魔女
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